Saturday, May 10, 2014

ヘイト・クライム禁止法(77)セネガル

セネガル政府が人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/SEN/16-18. 31October 2011)によると、条約第四条の履行に関して、団体設立及び違法団体の禁止に関する一九六八年の市民的商業的義務法が一九七九年に改正された。また、一九八一年の政党法がある。これらは団体や政党の設立に関して人種、性別、宗教による差別を禁止している。さらに、一九八一年の人種、民族、宗教差別行為の処罰に関する法があり、宣伝活動について、「全体的又は部分的に、人種、民族又は宗教的差別の実行、乃至そうした差別の煽動の実行を意図した活動をした者」を規制している。同様に刑法第一六六条は、公務員等が、正当な理由なしに人種、民族又は宗教的差別を行った場合を犯罪としている。                                                                                    刑法第二五六条bisは、人種的優越性を主張し、人種的優越性や人種憎悪の感情を興奮させ、人種、民族又は宗教的差別を煽動する意図で、物、図像、印刷物、文書、言説、ポスター、彫刻、絵画、写真、フィルム、スライド、写真集、映像再生又は記章を、公然と提示し、展示し、利用できるようにしたり、配布し、配布のために発行した者は、二年以下の刑事施設収容及び二五万フラン以上三〇万フラン以下の刑罰に処すとしている。又、その他の犯罪について、人種的動機は刑罰加重事由となる。                                                                                                       人種差別撤廃委員会はセネガル政府に次のように勧告した(CERD/C/SEN/CO/16-18. 24 October 2012)。委員会は人種差別行為に対する不服申し立ての様々な回路があることや、セネガルにおける寛容と社会的調和の文化に留意するが、セネガル政府が、差別に関する裁判所判決がないことをもってセネガルには人種差別がないとしていることは遺憾である。刑事司法における人種差別の予防に関する 一般的勧告三一(二〇〇五)を想起し、被害者救済の法や補償がないことを是正するよう勧告する。