Wednesday, January 02, 2019

『クルアーン』を読む(1)


正月は京都で過ごし、三十三間堂と国立博物館で運慶などの仏像を堪能してきた。天候に恵まれ、のどかな正月だった。元旦午後には京都駅南口のイオンモールのT―JOYで、映画『ボヘミアン・ラプソディー』。年末に観たばかりだが、今年の最初の映画になった。2度目なので、台詞の字幕がかなり意訳しているのに気づいたり、飼い猫の表情の変化を愉しんだり、画面片隅の小道具に目をやりながら、フレディ・マーキュリーのWe will rock youを満喫した。


中田考監修、責任編集・黎明イスラーム学術・文化振興会『日亜対訳クルアーン』(作品社、2014年)


今年は『クルアーン』をゆっくりと読むことにした。

中公の世界の名著シリーズでコーランを走り読みしたのはいつだっただろうか。学生時代のような気もするが、よく覚えていない。内容も理解していない。読んだとは言いがたい。

作品社版は非常に丁寧な本づくりで、読み甲斐がありそうだ。何しろ、「正統10伝承の異伝を全て訳すという、世界初唯一の翻訳」でああり、最新の学知にもとづいた解釈で註釈がなされている。訳者による「序」の解説では、キリスト教の聖書や仏教の経典と比較しての、『クルアーン』の特徴が整理されている。


第1章 開端

毎日5回の礼拝で読むことが義務とされている章。アッラーを讃える短い章だが、「真っすぐな道」への導きを示している。「真っすぐな道」からして、すでに解釈・翻訳上の問題があるという。