日本友和会創立100周年に向けて
連続講座 分断より和解へ第1回
今なぜ日本人ファースト?
差別とヘイトの底流をさぐる
講師:前田朗氏
日時:11月22日(土)13:30~16:00
場所:信濃町教会
*JR信濃町駅から徒歩3分
*東京都新宿区信濃町30
参加費:無料
主催:日本友和会
問合せ:090-8463-7684(池田)
日本友和会創立100周年に向けて
連続講座 分断より和解へ第1回
今なぜ日本人ファースト?
差別とヘイトの底流をさぐる
講師:前田朗氏
日時:11月22日(土)13:30~16:00
場所:信濃町教会
*JR信濃町駅から徒歩3分
*東京都新宿区信濃町30
参加費:無料
主催:日本友和会
問合せ:090-8463-7684(池田)
深沢潮『ママたちの下克上』(小学館、2016年)
『週刊文春』10月16日号に「深沢潮 差別コラム問題を激白『不誠実な週刊新潮に絶望した』」が掲載された。
「デビューした版元は実家みたいなもの、悲しさはありますが、自分の尊厳を守るための決断でした。公開はありません」と始まり、「差別や人権侵害の認識があったか」を問うたにもかかわらず、これを認めない姿勢に疑問を呈する。
「名前」は在日朝鮮人にとって常に付きまとう問題だ。植民地時代の創氏改名はもとより、解放後も社会的差別が続き、通称名(日本名)の使用を余儀なくされた。就職やアパートマンション入居もそうだが、今ではSNS上で攻撃される。
小説で出自や本名を書くと、家族や親戚から反対される。父親からは「余計なことをするな」と言われたと言う。
「父が元気だったら、私がこうやって目立つことを心配したと思いますが、自分の意見を表明したことに関しては誇りに思ってもらえたのかなと感じています。」
*
『ママたちの下克上』は深沢の第6作だ。
お受験ママが盛んにニュースになったことがあった。娘・息子を一流の受験校に合格させるために、幼稚園や小学校のころから熱心に励む母親たちが戯画的に取り上げられ、ついにはお受験殺人とやらも起きたと記憶している。
一流小学校に入るためにはお受験予備校に通うので、幼少期から教育費がかかる。母親たちは経済的に余裕があると見栄を張らなくてはならないし、子どもたちにまじめに勉強させなければならない。一つでも上のランクをめざす。お受験失敗は許されないので、子どもたちよりも、母親が過熱状態となる。子どもを追い詰め、自分を追い詰める。
主人公の香織は、一流ではない聖アンジェラ学園の卒業生だがアメリカ留学を経て慶応を卒業し、下着メーカーのクレールに勤務する。ジュニア向けの下着講座を広め、母校の聖アンジェラ学園でもブラジャーの選び方講座を実施する。校長、副校長や、子どもたち、そして母親たちとの出会いの中、クレールを退職した折に母校の広報担当者に招かれる。
香織の夫、姉、子どもたちとのエピソードと、聖アンジェラ学園のエピソードが重なり合い、物語が進行する。受験競争、教育者のセクハラ(疑惑に過ぎず、実際には教育熱心な副校長)、弾き飛ばされる子どもたち、追い詰められてスーパーで万引きに走る母親。現代社会の一局面が鮮やかに描き出される。
反差別連続講座第4回
ヘイト・スピーチ法の国際常識
― 刑事規制と被害者救済
前田朗
11月15日(土)18:15~20:30 開場18:00
浦和コミュニティセンター第13集会室 
浦和駅東口 浦和パルコ上10階
資料代
800円 (学生・障がい者500円)
2月に、「包括的差別禁止法&条例をつくろう!」の講演で、前田朗さんは日本政府の人権意識の遅れを指摘しました。さらに理解を深めるため連続講座を企画し、1回目は関東大震災コリアジェノサイド、2回目は未解決のヘイト・クライム事件、3回目は民族教育の権利についてのお話でした。クルド人へのヘイトや参議院選挙では排外主義の政党が議席を伸ばし、規制がないためヘイト・スピーチが野放し状態です。今回、国際法ではどうなのかを解説していただきます。
主催:
外国人学校・民族学校の制度的保障を実現するネットワーク埼玉
協賛:
ヘイトスピーチ禁止条例を求める埼玉の会、子どもの人権埼玉ネット、朝鮮・韓国の女性と連帯する埼玉の会
問合せ・申込:080-1245-3553(斎藤)
<金竜介弁護士への書簡
「憲法フェスティバル実行委員会への書簡」に関連して(第4信)>
金竜介様
 私たちは憲法フェスティバル実行委員会宛てに2通のお手紙をお届けしました(第1・2信)。琉球民族遺骨返還問題に関連して、琉球民族に対する差別を問う書簡です。
それに対して、並木陽介弁護士から書簡を頂きましたが、その内容は「回答しないという回答」にすぎませんでした。社会的責任は考えない、差別問題への回答も対話も拒否するという姿勢におおいに落胆させられました。
そこで私たちは並木弁護士及び憲法フェスティバル実行委員会宛てに第3信をお届けしました。
その後、憲法フェスティバル実行委員長が金竜介弁護士であることを知りました。そこで、今回は金竜介弁護士に書簡を差し上げることにしました。憲法フェスティバル実行委員会は社会的責任など毛頭考えないようですが、金竜介弁護士個人として、この問題について考えていただくことができるのではないかと期待しています。
金さん
私たちは、本年6月21日に開催された第37回憲法フェスティバルには琉球民族に対する差別とレイシズムが潜んでいるのではないかと警鐘を鳴らしました。「祖先の墓を暴かれ、骨を盗まれ、返還を求めても対話を拒否され、侮辱された人々の痛みの声を、憲法フェスティバル実行委員会は、どのようにお聞きでしょうか」と問いかけ、対話を求めました(第1信・本年6月14日付)。
これに対して憲法フェスティバル実行委員会は一切応答することなく、差別とレイシズムについて自己点検することもなく、第37回憲法フェスティバルを実施しました。講演において1946年3月に実施された衆議院選挙において平等が実現したという見解が示されました。しかし、同選挙においては沖縄県民と旧植民地出身者(その多くは朝鮮人)の選挙権が剥奪されたのが事実です。私たちは琉球民族と朝鮮人を排除して平等の実現を語るのでしょうかと問いかけました(第2信・本年7月6日付)。
並木陽介弁護士から私たちに寄せられた書簡(本年7月31日付)は「憲法フェスティバル実行委員会は、様々な立場や思想にこだわることなく、かつ弁護士や法律家だけでなく多くの一般市民の皆さんをメンバーとして構成している実行委員会です。そうした性格から、頂きました個別具体的な問題についての統一した見解をまとめて公表ないし回答するなどといったことは行っておりません」というものでした。回答しないという回答です。
そこで、私たちは「差別の恐れを指摘され、事後に質問がなされたにもかかわらず、どこにも通用しない『一般論』をタテに回答を拒否するのは『誠実』と言えるでしょうか」、「民族差別の被害者を無視し、排除することは民族差別の上塗りではないでしょうか」と重ね、「せめて、あなたが差し出している、その差別の手を引っ込めていただくことはできないでしょうか」と問いかけました(第3信・本年8月7日付)。
その後、憲法フェスティバル実行委員会からの応答はありません。無視と排除と「回答しないという回答」――これが、すべてです。
 金さん
 琉球民族遺骨返還問題について第1信において略述し、主要な参考文献をお知らせしましたが、今回はこの問題が国際的に注目を集めていること、そして山極壽一氏の差別行為が国際常識に反することをお知らせします。第1に国連人権理事会における議論、第2にアメリカ人類学会の報告書をご紹介します。
 第1に国連人権理事会です。
先住民族の遺骨返還は、アメリカのスミソニアン博物館、イギリスの大英博物館・自然史博物館、オーストラリア国立博物館などで始まりました。被害を受けてきた先住民族の長期に及ぶ権利獲得要求の結果、2007年の国連先住民族権利宣言第12条は次のように規定しました。
「1 先住民族は、自らの精神的および宗教的伝統、慣習、そして儀式を表現し、実践し、発展させ、教育する権利を有し、その宗教的および文化的な遺跡を維持し、保護し、そして私的にそこに立ち入る権利を有し、儀式用具を使用し管理する権利を有し、遺骨の返還に対する権利を有する。
2 国家は、関係する先住民族と連携して公平で透明性のある効果的措置を通じて、儀式用具と遺骨のアクセス(到達もしくは入手し、利用する)および/または返還を可能にするよう努める。」
 国連先住民族作業部会及び国連人権理事会では、先住民族の遺骨返還要求権について議論してきました。国連人権理事会第44会期決議は、先住民族の宗教用具や遺骨の返還に関する調査研究を、国連教育科学文化機関、世界知的所有権機関、先住民族権利専門家委員会、先住民族の権利特別報告者、先住民族問題常設フォーラムに要請しました。
 例えば2020年7月21日、先住民族権利専門家部会は、国連人権理事会第45会期に報告書『国連先住民族権利宣言の下で葬儀用具、遺骨、無形文化財の返還』(A/HRC/45/35)を提出しました。
 報告書によると、ノルウェーの文化史博物館とオスロ大学文化史博物館、スウェーデン歴史博物館、フィンランドのヘルシンキ大学がサーミ人の遺骨を返還しました。さらにニュージーランドのパパ・トンガレワ博物館、スイス・チューリヒ大学、スウェーデン民族誌博物館など、各地で返還が進みました。
 先住民族に遺骨に関する権利は国際人権法の一環として認められてきた権利です。慰霊や追悼や宗教儀式の権利は社会的文化的権利の中核を成します。
 金さん
 第2にアメリカ人類学会の報告書です。
アメリカ人類学会・人骨の倫理的取り扱い委員会は2022年5月から2024年5月まで幅広い調査・検討を加えて、2024年6月に130頁に及ぶ詳細な最終報告書をまとめました(American Anthropological Association, The Commission for the Ethical
Treatment of Human Remains, FINAL REPORT, June 2024)。
 最終報告書は、先住民族遺骨問題を入植者植民地主義、海外帝国主義、奴隷制、及び白人至上主義の問題として検討しています。人類学という学問が「科学的人種主義」に陥り、奴隷制、植民地主義、白人特権、家父長制を自然現象であるかのごとく錯覚したことを反省しています。
 最終報告書にはアイヌ民族及び琉球民族の研究者も情報提供しました。松島泰勝もその一人です。最終報告書の表紙には、琉球・今帰仁村の百按司墓(むむじゃなばか)の写真が採用されています。ここから盗まれた遺骨を隠匿してきたのが京都大学であり、山極氏です。山極氏による民族差別とレイシズムは今や世界周知の事柄です。
 最終報告書に付された「アメリカ自然人類学学会倫理綱領」は、人類学研究者のための倫理枠組みを発展させる原則とガイドラインを定めています。研究者の倫理的義務として人間の福利の尊重、人間の安全・尊厳・プライヴァシーを侵害しないこと、人間を研究対象とする場合には当事者に情報提供し説明をした上で同意を得ることが明記されています。
 以上の通り、先住民族遺骨問題とは、レイシズムによる人権侵害問題であり、研究者には人権侵害を惹起しない倫理的責任が求められています。
 それでは山極壽一氏はどのように行動したでしょうか。京都大学による琉球民族遺骨問題についての山極氏の言動はすでに繰り返し述べてきた通りです。
金さん
 琉球民族(松島)からの問いかけに対して、無視と無回答を続けてきたことは、山極氏ではなく、憲法フェスティバル実行委員会のレイシズムを如実に表現しているのではないでしょうか。金さんはどのようにお考えでしょうか。
実行委員会は社会的責任を考えないようですが、金さんはいかがでしょうか。
実行委員会は琉球民族と朝鮮人を排除して平等を語ることに疑問を感じないようですが、金さんはいかがでしょうか。
 なお、私たちは来る11月1日、日本平和学会2025年度秋季研究集会において、「琉球・沖縄・島嶼国及び地域の平和分科会」として「テーマ:現在も続く学知の植民地主義を問う」という分科会を開催します。下記の報告を予定しております。
報告 :松島泰勝(龍谷大学)「東京大学に対する琉球人遺骨返還運動―琉球人差別の歴史的清算を求めて」 
報告:さいとう・まお(東大遺骨返還プロジェクト)「学術界と責任―東大遺骨返還プロジェクトの運動から」 
報告:與儀幸太郎(ハワイ大学大学院博士課程)「遺骨返還運動と先住民族思想」
報告:前田朗(朝鮮大学校)「護憲平和なら差別容認でもやむをえないのか―憲法フェスティバルによる琉球民族差別を考える」
 金さん
 アイヌ民族および琉球民族は先住民族として、盗まれた遺骨の返還を求めてきました。
 他方、植民地時代に強制連行その他の理由で日本列島や南洋の島々に送られた朝鮮人の遺骨返還も現代史の重要テーマでした。
 朝鮮人強制連行真相調査団をはじめとする団体が、各地で保管されていた遺骨をご遺族のもとに返還するための努力を長年にわたって続けてきました。前田はその一員として長年活動してきました。
 北海道の雨竜ダム工事のために使役され、亡くなった朝鮮人の遺骨を発掘し、ご遺族のもとに返還する民間の努力も続いてきました。
 山口県の長生炭鉱では、水没事故により海底炭鉱に閉じ込められていた犠牲者の遺骨発掘作業が行われ、本年8月、ついに海底からご遺骨が発見されました。
 ご遺骨は単なる物でも、単なる研究資料でもありません。遺族やコミュニティにとっては慰霊・追悼の対象です。
 憲法フェスティバル実行委員会としてではなく、金竜介弁護士として、この問題に関心を寄せていただき、ともに考えていただくことはできないでしょうか。
 2025年10月16日
前田朗(ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク(のりこえねっと)共同代表、青年法律家協会弁護士学者合同部会・元東京支部長、朝鮮大学校講師、東京造形大学名誉教授)
松島泰勝(琉球民族遺骨返還請求訴訟元原告団長、琉球民族遺骨情報公開請求訴訟元原告、ニライ・カナイぬ会共同代表、龍谷大学教授)
*本書簡へのご意見やお問い合わせは下記へお願いします。
⇨前田 E-mail: akira.maeda@jcom.zaq.ne.jp
⇨松島  E-mail: matusima345@yahoo.co.jp
<憲法フェスティバル実行委員会への書簡――琉球民族遺骨返還問題と植民地主義を問う>
https://maeda-akira.blogspot.com/2025/06/blog-post_13.html
<憲法フェスティバル実行委員会への書簡(第2信)――琉球民族遺骨返還問題と植民地主義を問う>
https://maeda-akira.blogspot.com/2025/07/2.html
<憲法フェスティバル実行委員会からの書簡>
https://maeda-akira.blogspot.com/2025/08/blog-post_6.html
<並木陽介弁護士への書簡
憲法フェスティバル実行委員会への書簡(第3信)  ――あなた方はいつまで琉球差別を続けるつもりなのですか>
https://maeda-akira.blogspot.com/2025/08/3.html
<最近の関連報道>
松島氏ら、東大に情報開示請求、琉球人遺骨を保管か
https://ryukyushimpo.jp/news/national/entry-4484277.html
東京大学、琉球遺骨文書は「不存在」
https://ryukyushimpo.jp/news/national/entry-4526149.html
東大、港川人遺骨も奪う 同大博物館に無断で保管
https://ryukyushimpo.jp/news/culture/entry-4550758.html
ウポポイのアイヌ民族遺骨 小樽の団体に返還 収集の東大謝罪
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1186281/
豪先住民の遺骨、初返還 東大、京大、科博から10体
https://news.yahoo.co.jp/articles/35a00df859d3ebdbb5b423a8705dceb3474b67f9
「心」を無視した遺骨収集 先人の行為に「謝罪」と「経緯の検証」を
https://mainichi.jp/articles/20250905/k00/00m/040/067000c
深沢潮を読む(5)アイデンティティとレッテル
深沢潮『緑と赤』(実業之日本社、2015年)
ずっと通名で生きてきたのに、海外旅行のためパスポート(再入国許可証)を入手して自分が在日韓国人キム・ジヨンであることに驚き、たじろぎ、悩む金田知英。
K-POPファンとして韓国が大好き、韓国語を学ぶ梓は、新大久保でヘイト・デモを目撃し驚く。
李家のあととりなのに、父親の意向に反して日本に留学し、日本女性に好意を抱くジュンミン。
北関東の町に生まれ平凡な人生を送ってきたが、新大久保でヘイト・デモに遭遇し、社会問題に目覚め、反ヘイトのカウンターにのめり込み、実家を離れて東京で暮らす良美。
在日韓国人から帰化して金田となったが、ソウルに留学している中、好意を抱いた日本人女性知英(実は在日韓国人)とすれ違い、大学時代の親友がヘイト発言を繰り返すことに衝撃を受ける龍平。
ヘイト・デモに脅かされ、在日、韓国、日本の間の亀裂に直面し、自分と家族、特に自殺した父親の人生を想い、乱れる金田知英/キム・ジヨン。
2014年から15年にかけて、新大久保のヘイト・デモが吹き荒れた時期に書かれた小説である。参考文献に、安田浩一『ヘイトスピーチ』や師岡康子『ヘイト・スピーチとは何か』が挙げられている。今日朝鮮学校襲撃事件が2009年~10年、新大久保ヘイト・デモが2013~14年、川崎桜本ヘイト・デモがこれに続く。2016年にヘイト・スピーチ解消法が制定された。
2014年に新大久保や川崎に暮らしたり、働いたり、買い物に行った人々は異様な光景に遭遇していた。ジヨン、梓、ジュンミン、良美、龍平は、新大久保やソウルで出会い、すれ違う。アイデンティティの危機に直面し、惑い、不安に襲われながら葛藤する。在日韓国人も日本人も、それぞれ異なる形だがアイデンティティという爆弾を抱えて生きる。
人は誰でも自分なりのアイデンティティを形成し、維持し、他者と交流して成長していく。支配的なマジョリティの一員であれば、アイデンティティなんてどうでもいい、と言い捨てることができる。しかし、マイノリティにとってアイデンティティは深刻な爆弾となる。アイデンティティに縋って生きることもあるが、アイデンティティに引き裂かれることもある。アイデンティティを攻撃されることもあれば、アイデンティティを隠さねばならないこともある。他者から勝手にアイデンティティを押し付けられることさえある。
民族や国籍は近代国民国家においてはもっとも重要なアイデンティティとされるため、ハードルが高い。個人では乗り越え不能に見える。内面を支配していることが多い。反発しても、恐怖や不安が自分に帰って来る。手に負えないアイデンティティを、攻撃されたり、利用されたり、押し付けられたりするのだから、ますますやっかいだ。アイデンティティは両刃の刃となるので、大切にすればするほど、苦悩が深まる場合もある。
この国でマジョリティの一員として生まれ育ち、そのままマジョリティで居続ける者には、自分で体験することのできない苦悩である。
2014年の東アジア(日本と韓国)を生きる庶民の精神世界を独自のタッチで描いた作品である。
「緑と赤」は、日本政府発行の旅券・再入国許可証の表紙の色の違いを意味する。
『琉球弧を戦場にするな』上映会
11月8日(土)午後6時半~8時半、6時開場
東京ボランティア市民活動センター(飯田橋) 飯田橋駅隣RAMLA10階
◉『琉球弧を戦場にするな』(2024年、55分)上映
    藤本幸久&影山あさ子製作・監督/森の映画社
◉問題提起:浜恵介(立教大学兼任講師)「地方自治体の平和政策」
◉参加者による討論              
*参加費(資料代含む):500円
*『琉球弧を戦場にするな』:藤本幸久&影山あさ子製作・監督/森の映画社。九州の南から台湾へ連なる琉球弧の島々。基地は沖縄本島だけにあるのではない。馬毛島、奄美大島、宮古島、石垣島、与那国島で、猛烈な勢いで進む自衛隊の新基地建設。基地も演習場もない徳之島でも行われる日米共同訓練。準備されている次の戦争の戦場は・・・
*浜恵介:1976年、広島市生まれ。「父を返せ、母を返せ」の原爆詩人・峠三吉の遠縁。福島大学大学院地域政策科学研究科修士課程修了。戦後政治史・平和学専攻。地方自治体職員を経て、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程入学。自治体職員の経験を活かし、平和学と公共政策を融合させるべく自治体レベルでの「プラグマテック」な非核化の構築などの研究を進める。
共同開催:平和力フォーラム/ウエッブアフガン
連絡先:070-2307-1071(前田) 
E-mail:akira.maeda@jcom.zaq.ne.jp
「新しい戦前にさせない」連続シンポジウム第17回
共同テーブル10.30シンポ
「ファーストとは何か?」
多文化共生、ジェンダー平等の社会をめざして
私たちはヘイトを許さない
 
<リード文>
 先の参議院選挙では、定数1の群馬県で参政党候補者が当選した自民党候補者に肉薄する票を得ました。移住労働者が多く暮らしている東毛地域の太田市は住民登録者の6%近くがブラジル、ベトナム、フィリピン人など。邑楽郡大泉町はブラジル、ネパール、ベトナム人などが約20%を占め、両自治体とも早くから多文化共生政策を推進、互いの文化を尊重する地域を創ってきました。
 反戦平和の運動が取り組まれ、革新勢力が強い沖縄。参議院選挙でもオール沖縄の高良さちかさんが勝利しています。しかし、3位の参政党候補が得票率20%、同時実施の那覇市議会議員選挙では、史上最多の9千票超えでトップ当選でした。その女性市議は「性別は男と女で十分」「教育勅語賛成」などと発言していましたが、初の議会質問で、トランスジェンダー性自認が「伝染する」、「トランスジェンダーの生徒に必要な対応は、心の性別に基づく配慮よりも心の傷を治療できる心理士を紹介すること」と発言しています。
 多文化共生やジェンダー平等、反戦平和などの取り組みが進んでいる地域で、それを批判、否定する政治勢力が一定の支持を集めるのは、欧米でも起こっています。今回のシンポでは、その実情を把握し、どういった取り組みをしていくのか、登壇者とともに考え、明日からの行動に繋げていきましょう。
日時  10月30日(木)18時開場、18時15分~20時30分
場所  文京区民センター3A会議室
資料代 1000円
主催  共同テーブル
 
申込先 多くの参加者が見込まれます。定員(250名)になり次第、申し込みを締め切りますので、大変恐縮ですが、至急、下記のメールアドレスまで、出席申込(氏名・電話番号記入)をお願いいたします。
E-mail: e43k12y@yahoo.co.jp
<プログラム>
1 開会(進行:白石
孝~共同テーブル発起人)
2 第1部 
・移住労働者問題から「ファースト」を考える 
    鳥井
一平(NPO法人・移住者と連帯する全国ネットワーク共同代表理事)
  ・在日への差別
 辛 淑玉(のりこえねっと共同代表)
3 休憩 
4 第2部 なぜ極右政党が支持を伸ばしたか 
  ・沖縄から 又吉
俊充(沖縄タイムス記者)
  ・群馬から 諏訪
哲也(交通ユニオン書記長)
5 第3部 「人間にファーストもセカンドもない」
ラサール石井参議院議員
登壇者と会場からの意見交換
6 まとめと閉会挨拶
   
共同テーブル連絡先:藤田高景 090-8808-5000/石河康国 090-6044-5729
  ●オンライン配信あり→https://youtube.com/live/E3rw27FZTOI?feature=share