コリアン・マイノリティ研究会
第248回月例研究会
関東大震災ジェノサイド
―その時、摂政裕仁は何をしたか?
前田 朗(朝鮮大学校法律学科講師・東京造形大学名誉教授)
日 時:2025年7月26日(土)15:00~17:00
場 所:猪飼野セッパラム文庫
(大阪市生野区新今里2-9-16 もと辻本写真館1階 新今里公園北側)
近鉄「今里駅」から5分・地下鉄「今里駅」から10分
大阪コリアタウン東端から東へ徒歩15分
参加費:1000円・会員800円・学生・院生・U25無料
zoomあり
090-9882-1663
masipon2023@gmail.com
主 催:コリアン・マイノリティ研究会 NPO 法人 猪飼野セッパラム文庫内
https://sepparam-bunko.jimdo.com https://ameblo.jp/ikaino-sepparam/
1999年3月の国連人権委員会(現在、国連人権理事会)に、在日朝鮮人に対するヘイトと差別事件を報告した。1998年秋に日本各地で朝鮮人に対する暴力事件が多発した。同年10月、千葉朝鮮会館強盗殺人事件が起きた(前田朗「1998年のヘイト・クライム――千葉朝鮮会館強盗殺人放火事件再考」『東アジア共同体・沖縄(琉球)研究』第5号)。
これを国連人権委員会に報告し、関東大震災朝鮮人虐殺に言及した。関東大震災朝鮮人虐殺をどのように英訳するか、NGOメンバーのジョナサン・シソン国際友和会(IFOR)代表に相談し、「ジェノサイド/genocide」と呼ぶことにした。それ以後、「コリアン・ジェノサイド/Korean
genocide」という表現を用いてきた。この時、ジョナサンが「エンペラーの責任だ」と言ったので驚いた。それまで考えたことがなかった。
従来の研究は摂政裕仁の責任論を避けて通ってきた。だが摂政裕仁は戒厳令発布に関与した。そして、戒厳令下の犯罪調査担当官に「聖旨」を発した。
関東大震災朝鮮人虐殺をジェノサイドの視点から考え、国際法の光を当てよう。「ジェノサイド状況」だけでなく、「ジェノサイド犯罪」の成立について検討したい。ジェノサイド犯罪について摂政裕仁の関与をどう見るべきか。「上官の責任の法理」に照らして検討すれば、摂政裕仁の犯罪が見えて来る。