Friday, March 16, 2018

国連欧州本部で福島原発避難者の現状を


3月16日、国連欧州本部の会議室(人権理事会本会議が行われる大会議室の下の階にある会議室)で、NGOのグリーンピース主催のサイドイベントとして、日本の人権問題が取り上げられた。具体的には福島原発事故からの避難者が日本政府と東電による人権侵害を訴えた。

はじめに、グリーンピースのメンバーが、福島の映像を示しつつ概要を説明した。

メインは、福島から大阪に避難している森松明希子さんの訴えである。森松さんは東日本大震災避難者の会 Thank & Dream(サンドリ)代表、原発賠償関西訴訟原告団代表、原発被害者訴訟原告団全国連絡会共同代表で、今回は、16日に予定されていた国連人権理事会での日本の普遍的定期審査(UPR)結果の採択に際して、被災者の声を国際社会に届けるためにジュネーヴ入りした。普遍的定期審査(UPR)は19日に延期になったので、そこで発言をする準備を進めている。サイドイベントでは、被曝しない権利、知らないうちに被曝させられない権利について、特に、情報も知らされないまま、子どもに被曝させられてしまう恐怖について、泣きながら訴えた。参加者にも泣いている人がいた。

オーストリア政府の外交官が参加してくれた上、一言発言してくれた。オーストリアは昨年11月に開かれたUPR本審査において、日本政府に対して被曝問題に関連して改善勧告を出した。

演壇の両脇には、日本から持参した絵画作品が掲げられていた。ダキシメルオモイプロジェクト、小林憲明さんの「政府が避難を認めなくても、子どもを被曝から守るために避難を続けている親子」の絵である。参加者には同じ絵の絵はがきが配布された。

16日は国連人権理事会がなくなったため、参加者は30~40名程度だった。人権理事会が開かれていれば、100人くらいは参加してくれたのに、と思う。やや残念。でも、19日には国連人権理事会の本会議場で訴える。人権理事会では2012年以来、私たちも何度か被災者の状況を報告し、日本政府による被害救済のサボタージュを取り上げてきたが、避難者本人が国連人権理事会で訴えるのははじめてだろう。

配付資料の中に、英文のパンフレットがあった。

Seeing Safety: Speeches, Letters and Memoirs by Evacuees from the 2011 Fukushima Daiichi Nuclear Disaster, 2015.