高階秀爾『誰も知らない「名画の見方」』(小学館101ビジュアル新書)
新書がどんどん増えてきたが、これは知らなかった。101ビジュアル新書、意味がよくわからない。アートのシリーズが14冊出ているようで、図版、写真満載の新書シリーズ。美術史の第一人者(が何人日本にいるのか知らないが)による入門編だ。
フェルメールの「真珠の首飾りの少女」の瞳の白い点の効果とか、ファン・エイクの「アルノルフィーニ負債の肖像」の中央の鏡に映った来客とか、ベラスケスの「黒衣のフェリペ4世」の影の描き方とか、どれもかなり有名な話だけど、第一人者が「誰も知らない」と言うのだかから、きっとそうなのだろう。
ゴヤ・ミレー、ボス、ピカソ、ゴーガン、ボッテチィチイェリ、ダ・ヴィンチ、セザンヌ、クリムト、ルーベンス、ドガ、ルノワール等、巨匠たちの作品を鑑賞するのに、ちょっと楽しめる話題を紹介している。時代状況、代表作の舞台裏、演出家としての画家、新しい時代を描くと言った具合に、いろんな視点で見ると絵画を見る楽しみが増えると言う。なるほど。手軽に読めるいい本だが、続きが読みたくなる。