Sunday, March 08, 2015

ローザンヌ美術館散歩

ローザンヌとその周辺地域、スイス西部のフランス語圏で活躍した画家たちの作品が展示されていた。一昨年は現代映像アート展、昨年は彫刻展だったが、今回はローザンヌ、ジュネーヴ、ヌシャテル等地元出身のパリで活躍した画家たち。残念なのはフランソワ・デュボワの「聖バーソロミューの虐殺」がなかったこと。絵葉書を入手したが、現物をまだ見ていない。

まず古典的なパリのサロンに出品していた時期の画家として、フランソワ・サブレとジャック・サブレ。18世紀末から19世紀前半に活躍したようだ。また、シャルル・グリレ「サッフォー」は、1843年のサロンで入賞。「バッカスの踊り」は大作だが、何か物足りない。構図をもう少し考えていれば。「大洪水」や「ヘラクレス」はおもしろい。もう一人レオポール・ロベールもあった。ラ・ショー・ド・フォン出身のロベールは以前ヌシャテル美術館で見た。

次に19世紀に国際的に活躍したフランソワ・ディデ、フランソワ・ボシオン「1874年のウシー」、ルイズ・ブレスラウ「ジュリー・フォガールの肖像」「赤い帽子の女性」「ルクセンブルクにて」。ブレスラウはミュンヘン出身でチューリヒで育ちパリでも活躍した女性画家のようだ。

19世紀の新しいサロンでは、バロットン、アリス・ベイリー「象」「赤いバラのファンタジー」「バラ公園」、ルネ・オベルジョノワ、ギュスターヴ・ブシェ「港」「ピアノを弾く女性」らが活躍した。

次の展示コーナーは「これが戦争だ!」。もちろんバロットンの版画だ。去年、日本でも展示された。地元のテオフィル・アレサンドル・ステンレンも同様の版画作品を残していて展示されていた。ステンレンは油彩も版画も多数の作品を残したようだ。他にもユージェヌ・グラセ「美しい庭園のカレンダー」連作、「バラの女性」、エルネスト・ビーラー「神秘の水」、「青い女性の肖像」など。

展示数ではバロットン、ステンレンがかなり多かった。アリス・ベイリーは数点、ビーラーも3点ほどだが、良かった。


ブレスラウは初めて知ったが、今後調べてみよう。スイス圏では、アンジェリカ・カウフマン、マルセロ、アリス・ベイリーなど女性アーティストも頑張っていたことが分かる。