キプロス政府が人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/CYP/17-22.
12 April 013)によると、反差別担当部局が差別の様々な根拠に関する社会意識調査を行った。最初の調査は民族差別に焦点を当て、ポンティアック出身者に対するキプロス市民の態度と、キプロス市民に対するポンティアック出身者の態度を調査した。次に、キリスト教正統派キプロス人の他の宗教の人々への態度も調べた。三回目の調査は、障害を持った人々への態度の調査である。四回目の調査は、雇用におけるセクシュアル・ハラスメントの調査である。調査を受けての政府の対処は各条文の箇所で述べている。
アフリカ出身者に対する若者による人種主義的暴力・攻撃事件について反差別担当部局が調査している。実行犯に対する制裁と被害者の保護を警察がしなかった場合にオンブズマンがいる。警察庁長官は、人種差別事件と闘うためのガイドラインを出している。
反差別担当部局は、人種主義的事件に対して民主社会では許容できず、寛容を促進し外国人嫌悪と闘うために文化間教育が重要だと強調している。レイシズムと多文化主義のために政府は一連の措置を講じているが、それについては条約第7条の箇所で述べる。
二〇〇八年のレイシズムと外国人嫌悪の諸形態と表現とたたかうためのEU枠組み決定を刑法に移管するために、二〇一一年の法律第一三四号は、犯罪に人種主義的動機があれば刑罰加重事由であるとしている。(ヘイト・スピーチ法の存否は不明だが、委員会の勧告を見ても、ヘイト・スピーチ法を制定せよとは言っていない。既に一応あるのかもしれない。)