Tuesday, August 20, 2019

ヘイト・クライム禁止法(162)スウェーデン


スウェーデン政府がCERDに提出した報告書(CERD/C/SWE/22-23. 1 February 2017

前回CERDが裁判官等の研修について勧告を出したので、それへの回答。司法研修アカデミーが裁判官その他の司法職員の研修の責任を有する。アカデミーは裁判官補及び裁判官に人種主義動機によるヘイト・クライムに関する研修を行う。裁判官補の研修は義務的で蟻あり、主に量刑に際して人種主義その他のヘイト動機を考慮に入れることに関係する。裁判官への義務的研修はないが、裁判官自身の判断でアカデミーの研修に参加することを積極的に選択する。研修科目の一つは異なる経験を有する複数の裁判官が適切に職務に当たることが出来るようにするものである。

前回、人種主義組織や過激組織についてのCERD勧告が出た。人種主義表現の実効的な禁止についてはこれまで何度も報告した通りである。

国民又は民族集団に対する煽動に関する規定は、人種主義言説の流布、一般公衆や集団の間における脅迫を犯罪化しており、特に重要である。1989年以前は、当該メッセージが一般公衆の間に流布されなければならなかった。1989年改正はこの要件を取り除き、組織内の言説も刑事責任を問われることがある。

人種主義集団の活動と闘う刑法規定がある。違法な軍事活動の禁止、叛乱の煽動の禁止である。スウェーデン刑法の共犯規定は射程が広く、犯罪実行の教唆、幇助、未遂、予備、共謀が規定されている。犯罪の予備段階での規制により、組織された集団内での計画や実行が犯罪となる。