Thursday, August 08, 2019

ヘイト・クライム禁止法(156)エルサルバドル


8月7日、CERDはエルサルバドル報告書の審査を始めた。冒頭にエルサルバドル政府からのプレゼンテーションだったが、政府代表団の一員が先住民で、先住民族の言語で挨拶し、本文はスペイン語だったが、最後に再び先住民の言葉で締めくくった。

アイヌ民族が日本政府を代表して、アイヌ語でプレゼンテーションする日はやってくるだろうか。


エルサルバドル政府がCERDに提出した報告書(CERD/C/SLV/18-19. 14 September 2018

刑法第292条と第246条は人種又は出身に基づく差別事件の制裁を定めている。2015年、議会は刑法第129条と第155条を改正した。第129条は、人種、民族、宗教又は政治的憎悪に動機を持つ殺人、ジェンダー、ジェンダー・アイデンティティ、ジェンダー表明、又は性的志向を根拠として行われた殺人を加重殺人罪とし、30年以上60年以下の刑事施設収容に刑を加重する。刑法第155条は、人種、民族、宗教又は政治的憎悪に動機を持つ加重脅迫罪を、ジェンダー・アイデンティティ、ジェンダー表明、又は性的志向も含むようにした。

憲法第3条は平等を被差別の規定であり、人種等に基づく差別を禁止する。差別的又は人種主義的プラットフォームに反対する措置については、人種差別を助長・扇動する組織活動や宣伝活動は存在しない。そうした活動には刑法第292条が適用される。

CERDの一般的勧告15号及び35号に関して、CERDはエルサルバドルに条約第4条と国内法の調和を勧告した。平等権と被差別権について、憲法第63条を改正した。2016年8月、議会は被差別に関する文化法第30条を改正し、「国家は先住民族に、その自由、平等、尊厳、及び民族、性別、宗教、慣習、言語その他の地位に基づく差別から自由に生きる権利を保障する」とした。第11条は先住民族の権利の尊重、第12条は文化の平等の権利を定め、文化を理由とする差別も禁止している。

Rocalis、Saint-Saphorin, Bernard Bovy, 2017.