Sunday, August 18, 2019

パウル・クレー・センター散歩


パウル・クレー・センターは他の美術館よりも入場料が高いが、今回はなぜか入場無料だった。2つある展示ホールのうち1つは閉館となっていて、次の展示の準備中だったためだろうか。開館となっているほうは「カンディンスキー、アープ、ピカソなど、クレーと友人たち」という展示だった。

ホールはいくつものブロックに区分けされている。その一つひとつで、友人の画家とクレーの両者の作品が並べて展示されている。

最初のブロックは、画家修業中からの友人のフランツ・マルク。1912年に青騎士第2回展覧会の時にマルクとクレーが会っている。マルクは1916年になくなったので、4年ほどのつきあいだ。後にクレーは「M」という作品を描いたが、マルクのことだ。また、マルクの「動物」が火災で損傷したときに、マルク夫人の依頼を受けてこれを修復したのはクレーだ。バーゼル美術館にある。他方、クレーがヴォルテールの「キャンディード」のために描いた挿絵の出版は、マルクが出版社を紹介したという。

ミュンヘンでの青年時代の友人はアレクセイエフ・ジョレンスキーだ。そのパートナーのマリアンヌ・ヴェレフキンも画家なので、2人の作品が展示されていた。20年ほどの間に、クレーとジョレンスキーは33の作品を贈り合ったという。

といった具合に、いろんな時期の友人達が次々と登場する。チュニジア旅行を共にしたマッケとモワイエ、バウハウスで一緒だったカンディンスキー、チューリヒ・ダダのハンス・アープとそのパートナーのゾフィー・トイバー・アープ、キュビズムとの出会いはピカソ。入口にはクレーを中心に友人達の名前を配置した一覧の大きな図がおいてあった。バウハウス仲間としてはカンディンスキーや、ヨハネス・イッテンらの名前と共に、アンニ・アルバースの名前もあった。アルバースについては、元同僚だった中野恵美子が翻訳を出したので、知っていた。


クレーの絵画作品とスケッチがたくさん展示されていたが、天使シリーズが1つもなかった。指人形もなかった。どちらも世界のどこかに貸出し中なのだろう。

Les Faunec Syrah Geneve 2016.