Tuesday, November 30, 2021

ジェノサイド予防03

2パネルは、ジェノサイド予防の地域イニシアティヴへの国家の参加助長で、司会はシルヴィア・フェルナンデス・デ・グルメンディ・大虐殺犯罪に反対するグローバル・アクション議長である。フリサ・マンティラ米州人権委員、ユユン・ワユニングルムASEAN人権委員会インドネシア代表、クリスティン・デ・ペイロン欧州域外行動サービス人権・グローバル問題事務局長が発言した。

フェルナンデス・デ・グルメンディは、大虐殺犯罪予防の短期的及び長期的政策樹立に関して各国を支援する「大虐殺犯罪に反対するグローバル・アクション」を紹介する。グローバル・アクションは事件対応の文化から予防の文化への移行を求めてきた。予防について議論する国家と市民社会協働のミーティングを開いてきたが、2021年11月にはオランダで第4回ミーティングを予定している。

マンティラは、米州人権条約第1条のもとで各国には管轄権内のすべての人の人権尊重義務があるという。人権侵害の監視と個人の申し立てシステムとして、米州人権委員会はジェノサイド予防に貢献している。監視のための各国訪問調査が重要である。マンティラは、2003年の米州人権委員会決議は、大虐殺犯罪は米州機構憲章及び国連憲章の基本原理の否定であるとしたとし、国際犯罪を行ったとされる被疑者を裁判にかけるために引き渡しが必要であるとした。米州人権裁判所のグアテマラ事件及びコロンビア事件において、裁判所は米州人権条約はジェノサイド条約その他の国際条約に照らして解釈されるべきであるという立場で、ジェノサイドの申し立てを審議した。

ワユニングルムは、地域機関の任務を論じた。ASEAN憲章、ASEAN人権宣言、ASEAN政治安全共同体、ASEAN社会文化共同体、ASEAN平和・統合・弾力・健康・調和社会のための予防文化宣言が地域における大虐殺犯罪予防の協力を可能にしている。ASEAN政府間人権委員会の2021~25年行動計画が事件対応から予防へのアプローチの変化を生んでいる。行動計画は、リスク評価、調査研究、早期警報を通じて、暴力的過激主義の個人、組織、制度レベルの原因を確認する措置を助長している。効果的な救済の権利、人権、平和教育、表現の自由、宗教の自由、ヘイト・スピーチへの対処のすべてが大虐殺犯罪の予防に貢献するという。

デ・ペイロンは、「ホロコースト被害者の記憶記念国際デー」に言及し、過去の犯罪を認知する記憶政策の持続を訴えた。新型コロナがマイノリティに対するヘイト・スピーチや憎悪を惹き起こしている。2002年以来、EUは大虐殺犯罪の捜査と訴追における各国の密接な協力ネットワークを作ってきた。ジェノサイドその他の大虐殺犯罪の予防はEUの外交安全政策の中心部分であり、EUは反ユダヤ主義と闘う戦略を採択している。「人権と民主主義のための行動計画2020-2024」に基づいて、EUは民族的出身、宗教又は信念に基づいた共同体に対する不寛容、ハラスメント又は暴力と戦っている。

デ・ペイロンは、ジェノサイド予防の努力を倍加するように呼び掛けた。ジェノサイド条約は各国がジェノサイド予防の行動をとるための共通の法的基礎を提供している。デ・ペイロンは、国際刑事裁判所や国際法廷へのEUの協力に言及し、移行期の司法の前進が重要であるとした。

最後にデ・グルメンディは、ジェノサイド予防における記憶、移行期の司法、教育の重要性を指摘し、国際刑事裁判所との協力の重要性にも言及した。ジェノサイド予防の責任は各国にあるが、国際共同体全体として大虐殺犯罪の発生を予防するべきである。