Saturday, January 15, 2022

非国民がやってきた! 010

鶴彬通信はばたき第39号を読む

鶴彬を顕彰する会

http://tsuruakira.jp/

 

26回鶴彬川柳大賞報告が掲載されている。大賞作品は

文明の垢で命の海が泣く        阿部 浩(神奈川県横浜市)

SDGsが国際的な最大の関心事になっている現在に相応しい、環境汚染を読んだ秀句だ。作者も選者もさすが。

 

優秀賞は3句。

ワクチンをうつ手に銃は持たせない   有安 義信(岡山県加賀郡)

自死させた嘘は野放しされたまま    原  新平(神奈川県中郡)

さとうきびザワワ軍靴の音を消す    中沢 光路(新潟県十日町)

 

他に、第8回かほく市民川柳祭の優秀作品(小学生の部、中学生の部、一般の部)も掲載されている。小学生や中学生も川柳だ。鶴彬の故郷、かほく市は日本一、川柳づくりの多い町だろう。一般の部の佳作には次の1句も。高松は、石川県かほく市の高松だ。

コロナ禍の中の日本は植民地      三宅 義久(高松)

 

また、金津淑子さんのお話(原稿)「反戦川柳作家鶴彬について」によると、鶴彬の句碑は7つあるという。

金沢市卯辰山公園

かほく市高松歴史公園

盛岡市松園観音公園

遠野市上郷慰霊の森

大阪市大阪城公園

かほく市高松・喜多義教宅

かほく市高松浄専寺境内

「まとめ」では、次のように述べている。

「彼の命がけの願いが、戦後に漸く実を結び、農地解放や労働運動、売春防止法などにより、住みよい社会に変わってきました。」

「暁を、夜明けを待ちに待ちながら、闇の中にじっと堪えていた蕾も、今は花開き、盛岡の窓から、日本の空を風になって、自由にはばたいている事だろうと思います。」

 

「鶴彬研究の古典 秋山清「ある川柳作家の生涯」の紹介」も掲載されている。秋山清の『日本の反逆思想』『ニヒルとテロル』『大杉栄評伝』『竹久夢二』『近代の漂泊』はいまもなお読み継がれるべき本だ。と思ったら、著作集第7巻に『自由おんな論争』という本もあるという。これは読んだことがない。