山崎春雄・久保純子『日本列島100万年史』(ブルーバックス)
日本政治は愚劣で情けないが、日本列島は楽しいことがわかった。自然地理学・地形学から見た、第四紀の日本列島形成史だ。100万年の歴史変容だが、地球46億年からいえば「現代」だという。思いがけない視点の連続。
総論に続いて、北海道、東北、関東から九州まで、順次、特徴を描き出している。北海道では、大雪山と氷河期とナキウサギ、そして石狩平野と泥炭地の話。札幌出身の私にはなじみの土地の話だ。関東では、武蔵野や高尾山も出てくる。八王子在住の私の地元。といった形で、全国各地の地下、火山、平野、河川、海盆の読み方が見えてくる。
ふだん地形学の本を読むことはまずない。原発問題に関して地震学の本を読む程度。本書を購入したのは、ひとえにブルーバックス「通巻2000番突破!」、だからだ。
1963年に始まったブルーバックス、50数年で2000冊だ。ブルーバックスにはお世話になった。高校時代から何冊読んだことだろう。理科系が苦手の私は、毎年必ずブルーバックスを2~3冊読むようにしてきたので、たぶん100冊以上は読んでいる。量子力学や相対性理論はもちろんブルーバックスで学んできた。いま同僚の一人が元『ニュートン』の編集者だが、彼も高校時代からブルーバックス派だったそうだ。