Wednesday, February 15, 2017

ヘイト・クライム禁止法(128)ヴァチカン市国

ヴァチカン政府(Holy See, VCS)が人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/VAT/16-23. 4 September 2014)によると、主な法源はカノン法である。イタリア法も補充的法源である。ヴァチカンで適用される刑罰の多くは罰金である。刑事施設収容は通例は6カ月を超えない。2013年7月11日に教皇フランシスのもと刑法が改正され、条約第4条に従った犯罪には5年以上10年以下の刑罰が科される。条約第6条に従って、刑法は被害者補償を定める。
2003年、欧州安全協力機構が開催した反レイシズム会議を支援し、各国国内および旧ユーゴスラヴィア国際刑事法廷及びルワンダ国際刑事法廷における人種主義行為への効果的な刑罰負荷を促進してきた。2005年、反ユダヤ主義に関する会議に協力した。2012年、欧州安全協力機構が開催した人種主義と闘う会議を支援した。
人種差別撤廃委員会はヴァチカン政府に対して次のような勧告をした(CERD/C/VAT/CO/16-23. 11 January 2016)。法源によると条約第4条に列挙された犯罪のいくつかが禁止されているが、条約第2条に照らして、人種差別が禁止されていないことに関心を有する。委員会は、条約第2条に照らして人種差別を禁止する措置をとるように勧告する。委員会は、条約第4条に関連して、一般的勧告35パラグラフ12に従って、比較的重大でない犯罪について刑罰を科しているか、そうではないかについて明らかにするように要請する。