エジプト政府が人種差別撤廃委員会に提出した報告書(CERD/C/EGY/17-22.
30 June 2014)によると、エジプトは平等の権利の保護と差別の禁止をしており、雇用、教育、NGO及び報道に関する法において犯罪としている。2006年の刑法第176条は、人種、出身、言語、宗教又は信念に基づいて集団に対する差別を煽動し、その煽動が公共の平穏を侵害する場合、刑事施設収容に処することとしている。教育課程の発展のための規則と基準は、国際的な人権概念と基準をカバーする文脈で社会的教育を保障し、差別を拒否している。現行法をさらに改正する試みが進んでおり、差別行為、憎悪の煽動、人間からの強制搾取、すべての携帯の人身売買を犯罪化しようとしている。
人種差別撤廃委員会はエジプト政府に次のように勧告した(CERD/C/EGY/CO/17-22.
6 January 2016)。刑法第176条は人種差別を犯罪とするよう改正されたが、平穏侵害のあった場合に限定されている。委員会の一般的勧告35に照らして、刑法を、条約第4条に従って人種主義的ヘイト・スピーチをカバーするように改正するよう勧告する。人種的優越性又は憎悪に基づく観念の流布、人種的民族的差別の煽動、人種主義団体の設立や援助を禁止するべきである。犯罪の人種的民族的動機を刑罰加重事由とするべきである。