Tuesday, February 07, 2017

ヘイト・スピーチ研究文献(90)復刻版全国部落調査事件

河村健夫「ネット上の『言論』と司法手続き――復刻版全国部落調査事件を素材に」『明日を拓く』112号(東日本部落解放研究所、2016年[2017年]
16年6月に行われた第15回差別論研究会の報告と討論の記録である。雑誌の発行日が2016年1月10日と記載されているが、たぶん2017年1月10日発行が正しい。
1 インターネットの普及とそれに伴う誹謗中傷ケースの増加
2 ネット上の書き込みにより、どのような「被害」が生じているか
3 ネット上の誹謗中傷は、民事・刑事事件でどのように扱われるか
4 復刻版「全国部落調査」事件の概要と事実経過
5 ネット上の差別事象を根絶するために
鳥取ループ、示現舎による復刻版ウェブサイトアップについては、16年3~4月に出版差止めの仮処分決定とウェブサイト削除の仮処分決定が出ている。4月19日に本訴提訴、7月5日に第1回口頭弁論が開かれて、裁判継続中という。
その間、16年12月、部落差別解消法が制定された。障害者差別解消法とヘイト・スピーチ解消法に続くものだ。
本件担当弁護士による河村報告は、日本のネット状況を踏まえて詳しくなされているので、勉強になる。