パウル・クレー・センターは「クレーと動物」展だった。2つある展示ホールの1つは閉鎖されていて、いつもは2種類の展示のところ、今回は1つのみ。入場料が安くなっていた。
クレー作品の中の動物を取り上げて、クレーが人間と動物をどのように対比したり、重ね合わせたか、人間と動物の差異をどのように表現したかを考える展示だ。
10ブロックの構成。「人間化」「動物化」「牛」「人間と動物」「政治パロディ」「ハイブリッド」「自然研究」「魚」「猫」「鳥」。
政治パロディでは、1933年のナチス政権獲得後に迫害され、ドイツからスイスに逃げたクレーだが、この年のスケッチ類には威嚇、暴力、強制などの要素が目立つという。直接的な政治表現をしなかったクレーだが、30年代の作品には幽霊、さまよえる民、そして天使シリーズがある。時代状況をかなり反映している。
もっとも、今回、天使シリーズは展示されていない。指人形も一つもなかった。天使と指人形は世界のどこかを巡回しているのだろう。
猫の絵はおおくはないが、クレーは無類の猫好きだったので、クレー家のアルバムに残された猫たちの写真が展示されていた。
ベルン駅のホールでは、青年達の吹奏楽演奏が行われていた。監獄塔前の路上マーケットスペースでは高齢者中心のバンド演奏だった。