ジュネーヴ美術歴史館は常設展と企画展だった。
常設展は、近世の宗教画に始まり、近代絵画がずらり。地元スイスやその周辺の画家と、西欧各地の画家の作品が混在している。地元はまずはアルプスの山岳絵画、そしてレマン湖をはじめとする湖。印象派も小品だが有名画家は2~3点そろっている。ホドラーやバロットン、アリス・ベイリーやジャコメティ。シャガールとピカソ。
企画展は、ローヌ川のローマ遺跡がテーマだった。
フランス南部のアルル地方がローマの支配下に入ると、アルルで地中海に注ぐローヌ川をさかのぼってローマが進軍した。リヨンを経て、紀元前1世紀頃にはレマン湖にやってくる。ジュネーヴにも集落が出来たようだが、レマン湖東側のマルティニにはローマの競技場が残っている。現在のスイス南西部がローマ領となった。シーザーの時代にかかっている。ローマからは、イタリア半島を直接北上してフランス南部に来るコースもあるが、もう一つはスペインからピレネーを越えてきた。アルル地方の支配はそうして実現したようだ。
展示は、レマン湖底、ローヌ川、そして周辺沿岸地域で出土した物で、門柱、レリーフ、彫刻、コイン、メダル、食器、壺、棺等だ。
圧巻は大理石のヴィーナス像だ。高さ2メートル50センチくらいの大理石像、一部欠けているが、かなり良好だ。
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夕方は、プレニーの展望台でレマン湖を見下ろした。3月中旬までは小雨や曇りの日が多かったが、ここ数日は見事な青空で雲一つない。目の前は緑の野原、その向こうに林があり、その下にレマン湖の青がたたずむ。視界の過半は青空だ。レマン湖の向こう岸はかすんでいたが。A&Gの明日に架ける橋など歌いながらさわやかな風に吹かれていた。