Tuesday, March 19, 2019

国連で琉球民族遺骨返還問題を訴える


19日、ジュネーヴの国連欧州本部で開催中の国連人権理事会40会期の議題8「ウィーン人権宣言フォローアップ」で、NGOの国際人権活動日本委員会(JWCHR、前田朗)は、琉球民族遺骨返還問題について、おおよそ次のような発言をした。

<昨年12月4日、5人の琉球先住民族が、琉球の墓地から持ち出された遺骨の返還を求めて、遺骨問題について京都地裁に提訴した。少なくとも26の人骨が墓から盗まれ、90年間返還されていない。仮に研究目的であっても許されないことである。この琉球人遺骨は、1928~29年に琉球で調査を行った日本人人類学者によって持ち出され、いまなお京都大学が保管している。

 さらに33の琉球の人骨が国立台湾大学に保管されている。これらは琉球諸島から持ち出されて返還されていない遺骨問題のうちの二つの事例に過ぎない。

 1879年の日本による強制併合と植民地化のため、琉球人は国家のないマイノリティとなり、差別にさらされてきた。琉球は日本領土の0.6%にすぎないのに、米軍基地の70%以上が意志に反して琉球に置かれている。

 さらに、日本政府は沖縄島北部の辺野古に新しい軍事基地建設を暴力的に進めている。

 2018年9月26日、人種差別撤廃委員会は、日本政府に、琉球人を先住民族と認め、その人権を保護し、米軍基地の兵士による暴力から琉球女性を保護するように勧告した。>


議題8の審議は18日に終わるはずだったが、長引いたため、私の少し前で終わった。19日朝早くに発言することになった。待つ時間が長引いたのと、朝一番はまだ各国外交官が揃わない時間だったのが残念。


琉球民族遺骨返還問題を国連人権理事会に報告したのは初めてのことだろう。これまで先住民族作業部会には報告されているだろうし、昨年8月の人種差別撤廃委員会の日本政府報告書審査に向けてNGOが提出した報告書には載っていただろうが、人権理事会本会議に報告されたことはなかったと思う。

ここ数年、人権理事会には琉球関連の発言が続いている。たとえば2015年9月には翁長雄志知事が発言した。2017年3月には、山城博治さんの釈放を求める発言があった。